4月20日。我が家の、ひょんな所に「すみれ」が咲いた。
それこそ、「ひょんな所」である。1株だけぽつりと。
皆さんも不思議に思われたことは無いだろうか? 種をまいたわけでもなく、去年、同じ場所やその近くに咲いていたわけでもないのに、
今年、急に花を咲かせる「すみれ」。
実は、これには深い深い理由がある。
すみれの花は、種をふくんだサヤが、「パン!」とはじけて、種を遠くに飛ばす。
自らの子孫をより遠くに運ぶために身に付けた知恵である。
ここまでは大変に有名。ここからである。
すみれの種には、1粒1粒に、「エライオゾーム」というものが付いている。
「エライオゾーム」。初めて聞くという人がほとんどであろう。
何かというと、糖と脂肪のかたまりである。
なぜ、そんなモノをわざわざ付けているのか?
実は、種をある「虫」に運ばせるためである。
その「虫」とは、誰あろう「アリ」である。アリにとって、糖と脂肪のかたまりである「エライオゾーム」は、とっておきのご馳走なのだ。
すみれの種を見つけたアリは、「これはしめた!」と、巣に運ぶ。
エライオゾーム部分は、食べる。種は、放っておく。
だから翌年、発芽して花が咲く。
すみれは、そうやって子孫をより遠くへと運んでいるのである。
「なんで、こんなところに咲いているの?」という「すみれ」は、
昨年、そこに「アリの巣」があったしるしなのである。
ちなみに、先に「ひょんな所」という言葉を使ったが、
この「ひょん」という言葉。語源は「ヤドリギ(宿り木)」である。
興味のある方は、調べてみると面白いであろう。
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